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兄の本音と建前 - kikuchi ページ17

( 菊池風磨 side )
anan授賞式後。





ありがたいことにいただいた賞。
まったく着ないわけではないけど
着慣れているとは言えないスーツを
やや窮屈に感じる。
授賞式が終わって廊下を歩いていると
少し前に見知った後輩を見つけ声をかけた。

菊池「姫城ぉー」

名前を呼んだ相手と、
彼女の隣を歩いていた小島・正門
3人分の視線が俺のほうに向く。

正門「お疲れ様です」

『風磨くん、お疲れ様です
大賞受賞、おめでとうございます』

菊池「どうもどうも。
お前らもおめでとう」

小島「ありがとうございます」



『風磨くんはモデル俳優として
やっていくんですか?』

にやにやと笑う姫城に
肩を小突くと
『ごめんなさーい』と
思っていないであろう言葉が返ってきた。
ほんと、こいつは……。

先ほどのステージで佐野が
「バライティーで
風魔くんを超えたい」なんて話していた。
その返事に
「俺はモデル俳優でやっていくので
バライティーは譲ります」、と言ったのだ。
まあ、まだ抜かれるつもりないけど。

菊池「俺はかっこいい枠なのよ、こう見えて」

『どうみても
風磨くんはかっこいい枠だと思うけど』

あいかわらず良い意味で素直。
悪い意味で人たらしな後輩に苦笑いする。

菊池「あいかわらずな」

『何がですか?』

菊池「まあ、いいけど。
バライティーの座は君たちに譲るからさ」

『?』

菊池「かわりにAぇから
姫城ちょうだいよ」

『セクシーゾーンにですか?』

菊池「そうそう。どうようちの紅一点」

『……ないない!』

一瞬の間のあと姫城が口開けて笑った。

菊池「めっちゃ笑うやん」

『だってありえないじゃないですか!』

菊池「そこをなんとか」

『私は風磨に譲ってもらうんじゃなくて
Aぇのみんなと風磨くんをこえたいので
遠慮させていただきます』

笑う姫城を見て
強くなったなーと年上みたいなことを思う。
実際にいくつかは年上だけど。
こいつが東京に居た頃、
バックについてもらったりしていたせいか
姫城は年の離れた妹と同じような感覚があった。

居場所をなくして、
一人になって、
消えてしまいそうなほど
心細そうにしていた彼女に
手を差し伸べていたら
冗談が未来になることもあっただろうか?

末澤「りりー」

『はあーい。
風磨くんそれではお疲れ様です。
またドラマとかで共演できるように頑張ります』

菊池「お疲れ」

メンバーに呼ばれ去って行く彼女の背中は
あの時と違いしっかりしているように見えた。

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作者名:くー | 作成日時:2023年11月15日 12時

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