ルシエルブルー3《S.Watanabe》

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翔太がロンドンに行く決意を固めてからは、トントン拍子に話がすすんだ。

日本にいないときのお店の管理はほぼさっくんに。

まあほとんどは信頼できる仲間たちしか雇ってなかったらしいから、そこは心配してなかったらしい。


舘さんと康二くんにも伝えて、
毎日ワイワイしそうなイメージとは打って変わって、あんまりやりすぎても悲しくなるから普通に過ごしてほしいって。

それもたしかに一理ある。



翔太と休みの合う日は何よりも翔太との時間をとにかく優先した。





「今の時期ってどこに行くのがいちばん旬を味わえるんだろ？」


渡「京都行くかぁ」




桜が咲く季節。

あんなにバタバタしてたのに康二くんはしっかりと就職先決めて、春から社会人。





いきなり京都行くと言い出したこの男は
こりゃ最初から決めてたな、行き先。





「たしかに有名な場所いっぱいあるし、いいね
京都に行くなら大阪にも行きたいな」


渡「行きたいとこ行こうよ、時間もお金も心配しなくていいからさ」


「頼もしい！大好き！！！！」


渡「調子いいな笑」




夜にリビングのテーブルに本やら雑誌やら広げて
さらにパソコンで検索をかける。




宮「毎日楽しそうだね笑」


「舘さん！」


渡「どうせならみんなで行きたいよなー」


「たしかに！！康二くんも春まで何もイベントないからいつでも行けるね」


向「おいおい！決めつけんな！なんか予定あるかもしれんやろ！」


「康二くんはないね」
向「ないでしょ」
渡「聞かなくても分かるわ」


宮「俺と翔太が合わせられれば現実的になるね」



向「やかましいわっ」




そう言ってすぐにスケジュールを確認しだした舘さん、

翔太のロンドン行きを実は知ってて、
舘さんも本当は行きたそうな翔太をどうしたらいいか、悩んでたらしい。

私たちが真剣に話していたあの夜、こっそり聞いてたんだって。


…舘さんってそういうとこある。
こっそり見てたり聞いてたり。

本当に隠し事できないな、この人には。



それより京都の桜より抹茶スイーツの方が気になる…。




宮「Aちゃんの今思ってること当ててあげようか」


「え、なんですか…」


宮「桜より抹茶だな〜」


「舘さん怖」


向「舘さんと康二くんがいたらしょっぴーとイチャイチャできないじゃんっｷｬﾋﾟ！♡」


「そんなこと思ってないし、そんな喋り方してませんっ！」


渡「八ツ橋とたこ焼きの2択だろ」



「みんなして私をバカにしてますよね！」

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