空の街

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「またメイク落とさないで寝たんすかー」

「何でわかるのよ…、」

「歳取ったら後悔しますよー。メール転送したんでチェックお願いしまーす」


昨日付き合った人におはようの次に言う言葉がそれ？


翌朝、いつも以上にいつも通りすぎる須藤に拍子抜けしてパソコンに向き直っていつもみたいにキーボードを打つ背中を見ていれば、昨日の一連は夢だった気さえしてくる


やっぱり好きっていうの嘘なんじゃ…？これは何須藤？通常須藤？ていうか泉って二択じゃなかったっけ…？
なんて考えながらデスクに向けば須藤の同期の土井くんがやってきて私を見てニコニコ笑った


「瀬野さんおはよ〜ございま〜す」

「土井くんおはよ」

「ねーねーすどーくーん金曜の夜暇ぁ？暇だよね？ね？」

「忙しいな」

「ちょっとだけでいーからさぁ顔貸してくんない？」

「無理」

「1時間、あーいや30分でいいからさ。お前来ると…」

「他あたって。」

「……。ふ〜ん〜？こないだのあれ忘れちゃったの？
ねぇ瀬野さん？」

「え？私？？」

「そう私。ほらこないださぁ……」

「土井っ！！」


須藤は立ち上がって土井くんを強引に引っ張っていって姿が見えなくなったと思ったら遠くの方で、マジで！？という土井くんの大きな声が聞こえた

　

「仲良いなぁ…」





「せーのーさんっ」

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