ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

通常公務 ページ27

川合 side


北条「源、山田は特捜と組んで安田の張り込み。牧高、鈴木は防犯カメラの精査。他のものは本部の応援に回ってくれ。」


北条係長がどんどん刑事課の面々に捜査割り当て表を発表していく。


藤「係長、私たちも参加させてください。」


『お願いします。』


川合「なんでもやります！」


吉野「やらんでいい！本部のエリートが揃ってる、お前らの出る幕はない！」


川合「じゃあ、清水彩菜さんの聞き取りは？」


吉野「彼女の証言が手がかりになるかもしれんのだろ、そんな大事な業務任せられるか！通常公務しとけ！！」


川合「でも…」


藤「川合、」


どうしても何かしたくて、もう一度声をかけようとしてけど、藤さんに止められてしまった。

藤さんたちの方を見ると、首を横に振る藤さんと悔しそうな顔をしながらも唇を噛み締めて、何も言わない白馬さん。

それ以上頼んでも、聞き入れて貰えそうになかったから渋々私たち3人は交番に戻った。


・


川合「もう私たちは捜査できないんですか？」


『副署長にあそこまで言われたら、ね。』


伊賀崎「しかし、今回の班長さん怖かったねー。室井さんみたいな人なら良かったのに。」


川合「室井さん？あの方、米田さんですよ？」


『いや、多分 “踊る” の室井さんだと思う。』


川合「誰が踊るんですか？」


『はあ？』


伊賀崎「川合くん、もしかして全然刑事ドラマとか見てない？」


川合「はい、元々警察好きじゃないんで。」


伊賀崎「とうとう “踊る大捜査線” を通らずに警察になった猛者がいるよ。」


藤「私も通ってないですよ？」


『ちなみに私もです。まあ、父がめっちゃ好きだったので知ってることは多いですけど。』


伊賀崎「じゃあ、あぶ刑事？太陽にほえろ？」


藤「両方通ってないです。」


『私も。父と違って、刑事ドラマ興味なかったんで。』


川合「私、太陽にほえろは知ってます。あのおっきいグラス持って七三分けしたおじさんが…」


『それ、石原裕次郎さんのそっくりさん？』


藤「くださいこと言ってないで立番するよ。」


そんな話をしながら、ふと白馬さんを見ると楽しそうに笑っていて。白馬さんの笑顔を久しぶりに見た気がして、嬉しくなりながら立番を始めた。


《お父ちゃん。

どれだけ大きな事件が起きていても、日々別の事件が起きます。

それを防ぐのも私たち警察官の仕事。

ただ、私は頭のどこかで清水彩菜さんのために何かできないかずっと考えていました。》

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