ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

特捜 ページ25

川合 side


《拝啓、お父ちゃん。

生まれて初めて特別捜査本部、通称特捜に呼ばれました。

そこはまさに、強面選抜大会だったのです。》


牧高「こちら捜査資料です。」


源「失礼します、お茶です。」


山田「お茶菓子っす、塩と醤油があります。」


いつもとは全く違う態度の刑事課の人たち。


川合「源さんたちがあんな低姿勢なんて…」


藤「特捜仕切るのは県警捜査一課のエリート刑事ばっかりだからね。」


『所轄の若手は雑用と捜査でほぼボロ雑巾。』


伊賀崎「いいかい、川合くん。前から2列目の超強面が県警の刑事さん。その後ろ2列のまあまあ強面が隣の村川署の刑事さん。」


川合「結局全員強面なんですね。」


伊賀崎「だね。」


そんな話をしながら席に着くと、偉い雰囲気を醸し出す人たちが入ってきて、みんなが一斉に立ち上がる。


吉野「町山署副署長、吉野です。この度は我が署に捜査本部が立つということで、一言ご挨拶を…」


米田「時間がないので先にここまで分かっていることを聞いても構いませんか？」


丁寧な口ぶりで副署長の話遮った！


吉野「も、勿論です…」


そして副署長があっさり負けた！


米田「皆さんお疲れ様です。本部捜査一課班長の米田です。ではまず、村川署から。」


「はい、この2ヶ月の間村川署管内で5件の性犯罪事件が発生しています。被害者は全員下校途中の小柄な女子中高生。手口などから5件いずれも黒色のワゴンに乗った男2人組の犯行だと思われます。」


村川署の人の話を聞いてると、藤さんが白馬さんに声をかけているのが聞こえた。


藤「A、顔強ばってる。」


『…すいません。』


そして、なぜか源さんの顔がいつもより曇っているように見えた。


・


源 side

特捜が立ち、会議が始まったものの、俺の頭の中は昨日のことでいっぱいだった。

昨日、仕事が終わってからまた過呼吸を起こしてしまったAが心配でAの部屋に行って、チャイムを押そうとしたら、突然ドアが開いて


山田「え、源先輩？」


源「山田、何で？」


山田「俺は、Aが心配で、何となく…」


すると中からAの声がしてきた。


『やまだー！早く、お酒おかわり持ってきてー！』


山田「わかったから。…もう、酔っ払っちゃったっすけど。」


源「まさか日本酒、飲んでないだろうな？」


山田「さすがに、あれは俺がきついっす。」


『やまらー！！』


源「…戻ってやれ。」


山田「あ、おっす！」

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