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川合 side
白馬さんがアドバイスしてくれたおかげで、なんだか肩の力が抜けて、早見くんと一緒に似顔絵を描き進められた。
そうして、決して上手いとは言えないけど一応、形になってきた。
川合「目はこんな感じかな?」
早見「もう少し大きかったです。」
目を少し大きく描き直す。
川合「このくらい?」
早見「もっと、ギョロって感じ。」
ギョロって感じ…
もう一度、さらに目を大きく描き直す。
川合「結構大きめだけど、このくらい?」
早見「もっと大きくです!」
もっと?
ずっと目を大きく、不自然なぐらいの主張に若干の違和感を覚えながらも、何とか完成した似顔絵を皆さんに見てもらう。
山田「この絵が犯人ならすぐ捕まえられそうっすよね。」
そりゃそうだ。自分でも上手いと思ったこともないし、今回だってかなり個性的に仕上がった。
源「川合どうだ?自分で描いてみて。」
川合「正直、このままだと似てないと思います。」
源「ダメか…」
川合「ただ、犯人は似顔絵より目が小さかったと思うんです。」
『どうしてそう思うの?』
川合「早見くん、目だけ何度も大きく描き直しをするように言ってました。他の部位は具体的に説明できるのに、目だけはギョロっとさせてとか、もっと大きくとか、説明が抽象的で…」
牧高「そういえば私の時も…」
川合「もしかしたら彼は犯人に鋭く睨まれたせいで目が大きいイメージをもったのかもしれません。」
『ん?』
さっきまで似顔絵を見ていた白馬さんが突然声をあげた。
源「どうした?A。」
『この顔って…』
そう呟いた白馬さんは、心無しか顔色が悪いように見えた。
藤「誰かボールペン貸して。」
ボールペンで目が少し隠れた瞬間、藤さんと源さんが「あっ、」と声をあげて何かに気づいた様子。そして、白馬さんは突然手で口を覆って膝から崩れ落ちてしまった。
山田「A!」
すかさず山田さんが駆け寄る。この前といい、様子のおかしい白馬さんを見ていれば、何かあることは私でも分かっていた。でも白馬さんが何も言わないのに私から聞くことなんてできなかった。
『やまっ、だ、…』
山田「大丈夫、俺だから。ゆっくり深呼吸しろ。」
過呼吸状態に陥り、苦しそうに息をしながら何とか言葉を紡ごうとする。
『こ、これっ…』
山田さんが寄り添って背中を摩り続ける。
『やっ、やすだ、だいっ、だいじろう…』
その瞬間、空気が変わった気がした。
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なにふぁむみちふぁむ(プロフ) - 天倉日向さん» 初めまして✨️ありがとうございます🫰🏻💕 (1月8日 16時) (レス) id: 395886c890 (このIDを非表示/違反報告)
天倉日向 - 初めまして日向です♪ハコヅメ私も好きなので楽しく読ませてもらってます! (12月23日 16時) (レス) @page2 id: 367eca1ae4 (このIDを非表示/違反報告)
なにふぁむみちふぁむ(プロフ) - さくらさん» そう思わせてしまいすみません🙇🏻♀️読ませて頂きたいと思います!勘違いさせてしまいすみません💦もし良ければ今後も読んでください! (6月3日 15時) (レス) @page10 id: 395886c890 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - パクリのつもりなかったんですね。すいません、似すぎてて、てっきり参考にしてるのかな?と勘違いしてました💦(すごく似てる部分多いので良かったら見てみてください)勘違いしてすいません。 (5月27日 15時) (レス) id: 2e0085fa27 (このIDを非表示/違反報告)
なにふぁむみちふぁむ(プロフ) - さくらさん» 初めまして。そうなんですね!展開が似ているなんて嬉しいです!パクリのつもりはありませんが、これからも似たような内容があったら申し訳ありません🙇🏻♀️オチは最後までのお楽しみとさせていただきますね🤫ありがとうございます! (5月21日 16時) (レス) id: 395886c890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なにふぁむみちふぁむ | 作成日時:2023年4月16日 19時