ハコヅメ〜たたかう！元刑事課女子〜2

責任 ページ14

you side


早見くんが帰った後、係長に今聞いたことを説明する。

彩菜さんのこと、そして川合の顔を見るとさらに自分の弱さを痛感する。

あの時、体調なんて崩してる場合じゃなかった。


藤「係長、申し訳ありませんでした。」


川合「申し訳ありませんでした。」


源「いや、自分の判断ミスです。すいませんでした。」


『いえ、あと日は私がいたのに川合についていられませんでした。申し訳ありませんでした。』


藤「いえ、全てはペア長である私の指導不足です。」


源先輩に続き、私も藤先輩も責任を被ろうとする姿に

川合はさらにショックを受けている様子。


北条「分かった。上には報告しておく。」


藤「川合、A、おいで。」


藤先輩に廊下に連れ出される。


藤「川合、性犯罪の聴取は私たち女性警察官にしか出来ないことが多いの。あなたはもっと覚悟を持って臨むべきだった。聴取する時、何を第一に考えてた？」


川合「それは、彩菜さんが何をされてどんな犯人だったかをちゃんと聞こうと…」


藤「違う。大事なのは彩菜さんの気持ちでしょ？ちゃんと彼女の様子を確認しながら話をした？」


川合「 いえ、出来ていませんでした。すいません。」


『私がついていたのにちゃんと指導出来ませんでした。すいませんでした。』


藤「A、あなたは責任を感じ過ぎ。」


『でもっ、…』


藤「もういいから。」


廊下がしんと静まる。


山田「あのー、お話中いいですか？」


すると、突然山田が入ってくる。

こいつ、何言うつもりだ？


山田「このブラなんですけど、さっきの再現中ホックが壊れて。新しいの買うべきか、縫い直すべきか…あ、川合ソーイングセット持ってない？」


『私、持ってるけど。』


山田「川合も手伝って！川合とA借ります。すみません。」


ペコペコしながら川合を連れて行く山田。

私もソーイングセットを持って後ろを着いていく。

山田が会話に入ってきた意味がなんとなく分かって、

こういう所は昔から変わらないな。なんて思った。


・


藤 side


刑事課に戻ると源が声をかけてくる。


源「Aは？」


藤「川合と一緒に山田が連れてった。」


源「そっか、」


藤「先、越されたね？」


源「はぁ？」


藤「Aがさっき過呼吸起こした時も。」


源「いや、あれは…」


藤「でも正直あそこまで引きずってると思わなかった…」


源「…」

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