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何気ない話 ページ5

初めて話しかけられてから




蓮くんと少しずつ話すようになった。






後ろの席なのもあって、学生特有の




手紙交換だったり、








絵しりとりしたり。






少しずつ学校に行くことが



自分の中で意味を持つようになった。









今日どんなお話するのかな。



どんな顔が見れるかな。









こんなに楽しかったことなかった。




ときめくことなかった。












授業中





いつものように手紙交換をする。






[真白さんって好きな人いるの?]







なんて書いてくるから返答に困った。




気になってるのは目黒くんだよ、なんて




さすがに言えなくて。








[まだ、気になってるって感じだけど、いるよ]





少し読んでる蓮くんの様子をうかがってみる。





[よく話す?]





と返ってきた。






話すよ。毎日。





毎日楽しくて、仕方ないよ。




[毎日、話してるよ]










そう書いて返すと




すぐに[乃杏って呼んでいい?]と書かれて返ってくる。








後ろを見ると返事を待つ目黒くん。





右手でオッケーサインをつくると、




子どもみたいな満開の笑顔で








私の耳元に近づいて、



黒「乃杏」



なんて、言うから。







変に緊張しちゃって、目が合わせられなくて




ゆっくり、思考停止したまま





前に向き直る。









なんだか、自分ばっかりドキドキさせられて




好きなのに、連くんは気づかないし









好きな人がいるから




悔しかった。









勢い良く後ろを振り返ると




目を見開いた、連くん。





どうしたの?




口パクで伝えてくる。












「蓮くん。って呼ぶ。乃杏も」











すぐに前を向く。




連くんがどんな顔をしてるかなんて分からなかったけど



仕返しになってるか分からなかったけど










お互い名前で呼ぶなんて、




恋人同士じゃないとしないんじゃないかな。









なんて考えて、1人で静かにはしゃいだり。













冬「いやー、恋人じゃなくても呼ぶでしょ」








冬空ちゃんに言われた一言。





すごく刺さって、ショックだった。








「そ、そうなんだー、」






なんか、棘あったな。今の冬空ちゃん。



気のせいだと思いたい。










グラウンドでサッカーをする蓮くん。







やっぱりかっこいいな、好きだなって思って。




一方通行でも幸せだし、ときめいてた。

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作者名:あまつかくらげ | 作成日時:2024年3月20日 21時

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