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揺れる ページ3

元クラスメイトたちは




ちょうどいい具合に出来上がってて








これから二次会に行く人



そうでない人



迷ってる人





いろいろだった。








私はどっと疲れが来て、帰ろうとしてた。





蓮くんは、男子たちに誘われているみたいで





話さなくても、いいかなって。








あんまり、あの楽しそうな顔を曇らせたくない。






「冬空ちゃん、帰るね?またあした」






冬「ちょ、ちょっと待って?目黒くんは、?」






あんなみんなの前であとでって言われてたのにって



なぜか冬空ちゃんが泣きそうになってた。






「うん、また、あしたね!」







賑やかな景色を背中に




静かな駅の方へ歩く。









凪いでいた心の波が





蓮くんが現れて大きく揺れた。






波打って心の中心まで届いて震えた。









静かになった。



穏やかになった。







ふらふらした足どりで


少しずつ近づく駅。






テーブルを挟んだ向こうには


変わらない蓮くんの姿。





あんな距離で蓮くんを見つめたのは


別れた時以来だった。








相変わらずかっこよかった。





ちょっと、というかだいぶ期待してた。





あんなみんなの前であとで、なんて


しかもすごく必死な顔で




言われたから。







馬鹿だな。期待なんかして。






寒さが肌に痛く刺さる季節。





暗さと寒さと孤独で夜に溶けてしまいそうだった。







改札を抜ける。







人のいないホーム。



ホームのベンチに腰掛けていると




少しずつ微睡みに引き込まれていく。








遠のいていく、環境音。





寒さが温かさに変わって心地いい。






ちょっとだけ。



電車がくるまで。






瞼を完全に閉じた時








黒「乃杏?」





瞼を開くといるはずのない人がいた。





「蓮、くん、?な、んで?」





ふわふわした頭で考えても分からなかった。





黒「それより、こんなところで寝たら風邪ひくよ」



「ん、」



蓮くんは私の隣に座った。




黒「肩、貸すよ」


返事をする間もなく蓮くんが頭を肩にのせさせた。





「、、ふふっ、高校のとき思い出すね、?」




黒「、あったね」




「噂になったね、たしか」



黒「乃杏ロス」



「目黒ロス」



高校のとき、私たちが付き合ったことで



できた校内でのちょっとした流行語だった。




蓮くんはファンが多かったから

泣いている女の子も多かった。






「、なつかしいね?」

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作者名:あまつかくらげ | 作成日時:2024年3月20日 21時

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